アペラシオンとは?
ワイン好きなら一度は耳にしたことがあるはずのワイン用語「アペラシオン」。
アペラシオンとは一体何のことでしょうか?
ただでさえわかりにくいワインをより難解にしているもの、
厄介なルールなもののように感じられるかもしれませんが、
フランスのワインを理解する上で重要な言葉です。
アペラシオンとはフランスにおける法律に基づいた原産地の呼称のことです。
フランスにはAppellation d’Origine Controlee (アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ、日本語では「原産地統制呼称」と訳される)
という法律があります。
この法律はフランス国内の優れた農産物や酪農品などを国が保証するために与える認証のことで、
ワインの他にブランデーやラム酒、チーズやバターなどの乳製品、レンズ豆などの野菜、果物、家禽(家畜として飼育される鳥)などが認定されています。
19世紀後半から20世紀前半にかけて、世界大戦や世界恐慌などの影響で粗悪な生産物の流通や産地偽装などの不正が横行したことから1935年に制定されました。
ワイン造りの歴史の長いフランスでは、昔からワインの造り方はもちろん、産地の気候や土壌、
いわゆるテロワールによってワインの個性が大きく異なると考えられています。
そのため、A.O.C.(Appellation d’Origine Controleeの略)は産地の個性を守るための法的規制でもあるのです。
ただし、A.O.C.に認定されるには、その規定に従ってブドウを栽培、醸造しなければならず、
ブドウの栽培範囲はもちろんのこと、認定されるブドウ品種、最大収量、最低アルコール度数、剪定法や醸造法まで事細かに定められています。
つまり、ワインの世界で言うアペラシオン(Appellation)とは主にA.O.C.に認定されたフランスのワイン産地を示しており、
アペラシオンがエチケットに表示されたワインは、A.O.C.の厳しい基準を満たしたワインということになります。
なお、フランス以外でもA.O.C.に似た規制を設けたワイン生産国がありますが、フランスの規制が最も厳密と言われています。


